Retty株式会社

ユーザー数急増中のビジネスモデルを紐解く

急激なユーザー数の伸びを誇るRetty。2016年5月からわずか1年で月間利用者を800万人獲得している。サービスの概要に触れながら、なにを提供して、どう儲けているかを整理することでビジネスモデルを紐解いていく。

key points

  • 「人」を起点にお店を探せるサービス
  • 「店舗向けの集客支援サービス」と「企業向けの広告」でマネタイズ
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なにを提供しているのか

Rettyとは?

Rettyは、だれが口コミをしたかを起点にお店を見つけることができる実名型グルメサービスだ。タレントや舌の肥えた人が、どんなお店に行き、評価しているかを知ることができる。その強みを使って、コンテンツ化しているのが「TOP USER制度」だろう。


https://retty.me/

「舌の肥えた人」や「あるジャンルに長けた人」、「特定のエリアに長けた人」など、単なる評点だけでなく、おすすめのお店を探しだすための切り口をいくつも提供することができる。


https://retty.me/

また、まとめコンテンツもRettyの特徴の1つといっても良い。ジャンルに強い人がおすすめするまとめコンテンツは、そのジャンルに興味のある人にとっては価値あるコンテンツとなる。

食べログとの違い

Rettyと並んで認知されているグルメアプリに「食べログ」があるが、この2つのサービスにはどういった違いがあるのかを比べてみる。Rettyが人が主軸となった検索を行えることが特徴であったが、食べログでは店を主軸にしてランキングで選べるのが大きな違いだと言える。

ただ、Rettyが先行して行っていた「TOP USER制度」や「まとめコンテンツ」などの機能を食べログも取り入れており、2014年12月には「食べログまとめ」、2016年5月に「グルメ著名人」をリリースしたりと、2つのサービスの差異は徐々になくなってきている。

ビジネスモデル

Rettyの収益源

Rettyはマネタイズを基本下記の2つで行なっている。

  • 店舗向けの集客支援サービス
  • 企業向けの広告

「店舗向けの集客支援サービス」では、店舗が課金することで下記のような露出度向上や顧客との接点を増やす施作が打てるようになる。
・お店の情報量(画像、キャッチコピー、PR文章等)をあげる
・人気店20選等の特集を組んで優先掲載ができる
・行きたいをしている人に直接ニュース配信することができる


https://corp.retty.me/

「企業向けの広告」では、複数の広告商品がある中で「Rettyブランディングアド」に注力している。このブランディングアドとは、「新橋 居酒屋」などで検索から流入したユーザーに対して、企業の商品バナーや商品紹介特集ページを表示し、それぞれのランディングページへ送客するというもの。企業は、セグメントが絞られた、広告効果が高いユーザーにピンポイントで広告が打てる。

マネタイズについては、2014年春以降から本格的になされている。2016年7月時点では「店舗向けの集客支援サービス」と「企業向けの広告」それぞれが売上に占める割合はちょうど50:50ぐらいだと武田氏はコメントしている。2016年9月期の決算公告では売上が5.4億円だったので、それぞれで約2.7億、計5.4億を稼いている状況だと推測する。

Rettyではナショナルクライアント向けのブランディング広告と店舗向けの集客支援サービスでマネタイズを進めている。売上は両事業で「ちょうど半々くらい」(武田氏)な状況だが、近い時期にも単月黒字化する見込みだという。

これだけの収益を生める要因は、月間利用者数がある一定規模を超えたことで認知度・影響力が高まったことが大きいということが下記の武田氏のコメントからもわかる。

「集客支援事業もユーザー数が1000万〜1500万人を超えた頃から認知も広がって伸びてきた。競合サービスに追加して導入を決めてもらっているイメージ」(武田氏)

今後の展望

同業他社であり最大手の食べログの主な収益源は「飲食店への課金」が売上186億円(2017年3月)の約67%を占め、約125億を稼ぎ出している。Rettyが店舗から課金して稼いでいるのが約3億円だとすると、まだまだ稼げる可能性を秘めていると言える。今後、Rettyが収益を高めるためにはその牙城を崩していく必要があるだろう。

そのためにも、認知度・影響力を高める月間利用者数を伸ばしていくことが求められる。2017年5月時点でRettyの月間利用者数は3000万人、対する食べログは9,896万(2017年6月)。月間利用者数で約3倍の差がある2社だが、これからRettyがどのように利用者の指示を集めて収益化を図っていくのか、目が離せない。

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